10カ月 落下巨石で地域振興 – 毎日新聞

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 熊本地震発生から14日で10カ月となる被災地・熊本県で、最大震度7だった本震の際に集落付近などに落下してきた三つの巨大な石が「地域の宝」として大切にされている。それぞれの地域の住民たちが地域振興に役立てようと知恵を絞ったり、地震の記憶を後世に伝えるシンボルにしようとしたりしている。【山下俊輔】

猫の割れ目と“無傷石” 南阿蘇村河陰

南阿蘇村の「免の石」が落下し、猫の形に見える山肌の割れ目=今村浩征さん提供



 南阿蘇村河陰(かいん)では、山の割れ目に挟まれ、「落ちそうで落ちない石」として知られ、多数の受験生らが願掛けに訪れた「免(めん)の石」(高さ約3メートル、幅約2メートル)が地震で落下した。

 住民は一時落胆したが、石が落下後の割れ目の形が猫に見えるため、観光資源にする構想を練っている。猫の割れ目を生み出し、50メートルも落下したのに“無傷”だった石とセットでアピールする。

 世間は猫ブームでもあり、村職員の今村浩征さん(54)は「引き続き注目スポットになってほしい」と話す。

「夫婦岩」で縁結び 熊本市西区

農道に転がり落ちてきた熊本市の巨石。隣は自治会長の田尻憲靖さん=熊本市西区上松尾町で、山下俊輔撮影

 昨年4月16日未明の本震の際の音を熊本市西区上松尾町の自営業、小島宝さん(66)は今もはっきり覚えている。翌朝、農道に巨石(高さ約2・5メートル、幅約6メートル)があった。近くの山・観音さん(通称)から木々をなぎ倒して転がってきた。

 50年以上前に一回り小さい石が同じ山から落ちており、住民は「寂しくなった巨石が追いかけてきた」と「夫婦岩」と名付けた。山裾の地域で住民の多くが65歳以上で、町内の小学校は今春閉鎖に。夫婦岩の評判を聞いて見学にくる人々がおり、住民は石をコンクリートで据え付けた。

 自治会長の田尻憲靖さん(70)は「縁結びの名所になれば」と、近く案内板も立てる。

身代わりになってくれた 神社を直撃、保存 大津町瀬田

神社を直撃した大津町の巨石。隣は瀬田区長の合志通夫さん。後ろは再建中の社殿=熊本県大津町瀬田で、山下俊輔撮影

 1575年に創建されたとされる大津町瀬田の瀬田神社では、近くの岩壁が崩れて巨石(高さ約2メートル、幅約5メートル)が落下し、本殿と拝殿が倒壊した。

 一方で地域は被害があまりなかった。「神社が身代わりになってくれた」と感じた住民らは、地震の記憶を後世に伝えようと、石を動かさずにこの場での保存を決めた。区長の合志(こうし)通夫さん(67)は「地域住民が自然の恐ろしさを忘れないようにしたい」と語る。


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