飯伊地域を航空宇宙産業拠点化へ 県当初予算案、国内初導入事業も – 中日新聞

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2月に開業した「DAIKO TOOL」の長野飯田工場=飯田市で

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 飯田下伊那地域を中心に航空宇宙産業の拠点づくりを進める県は、二〇一七年度当初予算案で関連予算に二億六千五百七十七万円を計上した。前年度比五十四倍の大幅増。国内で唯一の試験機を導入し、国産ジェット旅客機MRJ(三菱リージョナルジェット)向け補助燃料タンクの開発を推進するなど、拠点化に本腰を入れる。

 二〇一五年三月、北九州市の切削工具製造会社「DAIKO TOOL」を飯田市工業課長など三人が訪れた。企業誘致のために訪問するのは三回目。木場信行社長(44)は「遠くまで何度も足を運んでもらい熱意が伝わった。飯田は中部や首都圏にもアクセスしやすく、環境も整っている」と航空関連産業の集積を目指す取り組みに共感。今年二月、北九州市以外で初の工場を飯田市内に設立した。

 戦時中に多くの企業が疎開した県内は、高い技術を持つ精密機器メーカーなどが集積する。航空機産業の出荷額は二〇一三年、全国十位ながら九十五億円にとどまった。

 県は、業界の市場規模が同年から二〇年にかけ七年間で一・八倍の三兆円に成長すると見込み、昨年五月に「県航空機産業振興ビジョン」を策定。現在五十社ほどの航空機関連企業を二十五年までに百社に増やす目標を掲げた。一七年度から飯田市座光寺の旧飯田工業高校を中心に拠点づくりを本格化する。

 目玉施策は、電子部品が漏電しないかを確認する「防爆試験機」の国内初導入。航空機部品の認証に必要な試験で、現在は各メーカーが試験機のあるアメリカなどに持ち込むなど、負担が大きかった。氷が着いた際の安全性を調べる試験機も三月末までに導入する方針で、航空機や自動車関連企業からの依頼を見込む。

 信州大と連携し、MRJの航続距離を延ばすための補助燃料タンクの研究開発も進める。参入を目指す中小企業向けの研修会を開くほか、航空機メーカーとの情報交換の場も設ける。

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 県は一四年、企業が資金の借り入れや税制で優遇される国の「アジアNo・1航空宇宙産業クラスター形成特区」に認められた。愛知、岐阜、三重県に続き、静岡県と同時だった。

 県ものづくり振興課の沖村正博課長は「航空機産業は、県のものづくり政策の一丁目一番地。愛知や岐阜県などは機体やエンジンが強いが、長野の強みである精密機器や部品づくりで存在感を発揮したい」と話している。

 (五十幡将之)

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