【会津の交通網】地域づくりの視点肝要(2月18日) – 福島民報

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 難儀を極めたJR只見線不通区間の復旧は方向性が固まった。東武鉄道の新型特急列車「リバティ会津」が4月下旬に東京から南会津町に乗り入れる。会津地方の公共交通環境は変革期を迎える。過疎地で鉄道を維持するのは並大抵でない。過大な負担を後世に残さないためにも、利用者増に向けた大胆な発想と実行が求められる。定住を促し、観光客らを迎え入れる地域づくりこそが肝要だ。
 両線沿線は人口減少と高齢化が深刻だ。広大な山間部に集落が散在し、最寄りの駅に行くのは容易でない。車への依存が高く、利用者増に結び付かない一因となっている。
 駅周辺に人口を集積させるのが理想だが、急な実現は難しい。駅までの移動手段を充実させるのが現実的だ。バスやタクシーなどの道路交通が検討課題となろう。IターンやUターンによる定住促進にも有利に働くに違いない。
 会津地方の交通網は会津若松市、南会津町、只見町を結ぶ三角形を思い浮かべると分かりやすい。同市と南会津町間は会津鉄道が走る。野岩鉄道、東武鉄道を乗り継いで東京とつながる。只見線の会津川口駅-只見駅間が復旧すると、3市町の二辺は鉄道で再び結ばれる。南会津町と只見町間は鉄道がなく、289号国道の活用が鍵を握る。三辺の交通網がつながってこそ地域づくりを加速できる。
 会津地方は過疎地ではあっても観光資源の宝庫だ。交通環境の良しあしが誘客を左右する。会津乗合自動車は会津鉄道の駅を発着する観光バスの運行拡充を検討している。会津田島駅でレンタカー開業を模索する動きもある。
 只見線沿線の市町村や関係団体は平成29年度中に利活用計画を作る。だが、同線に限定した議論で十分だろうか。会津鉄道、磐越西線、さらにバス、タクシー、レンタカーなどを含めた利便性向上の視点が欠かせない。
 うれしい話を聞いた。只見線を使い、会津川口駅に向かう外国人観光客が増えているという。只見川流域を歩き、渓谷美や山里を撮影して会員制交流サイト(SNS)などに投稿して楽しむらしい。東京や京都など定番の観光地巡りに飽き足りない旅好きが目を向け始めた。会津地方の宿泊施設は東武鉄道の特急運行開始をにらみ、連携して温泉地巡りの旅行商品開発を目指している。こうした民間の取り組みも支援すべきだ。
 交通網の整備は会津地方全体の広域課題との認識が必要だ。県や会津地方の全市町村が当事者意識を持って取り組んでほしい。(鞍田炎)

カテゴリー:論説






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