掛川城のアート茶会に学ぶ、地域活性化の勘所 – 日経ビジネスオンライン

Home » 町おこし » 掛川城のアート茶会に学ぶ、地域活性化の勘所 – 日経ビジネスオンライン
町おこし コメントはまだありません



掛川城。天守閣の真下にある二の丸茶室で「北斗七星」を見た。(写真:PIXTA)

静岡県掛川市で行われた「現代アート茶会」に参加した

 つい先だって、静岡県掛川市で行われた「現代アート茶会」という面白い催しにお招きを受け、うかがってきた。これは、NPO法人掛川の現代美術研究会という地元有志の団体が、2007年から続けてきて、今回で9回目となる「掛川現代アートプロジェクト」の一環として行われたもの。場所は、掛川城天守閣のすぐ真下にある二の丸茶室。ここでの夜の茶会(夜咄=よばなし)に参加させていただいた。

 このアートプロジェクト自体もなかなか面白くて、たとえば毎年、現代アーチストに掛川のために茶道具を作ってもらうということを7年続けておられる。この作品をテーマにしてトークイベントを行ったり、茶会を催したり、単に新作のアートを展示するということに留まらない活動を継続してこられたわけだ。

 今回はその7つの茶道具が一堂に会する初めての茶会ということで、ずっと関わってこられたアートプロデューサーの山口裕美さんにお誘いを受けた次第。

茶道の伝統を踏まえつつ、ポップなアートを楽しむ

掛川城の二の丸茶室の庭。(写真:PIXTA)

 待合で一部の作品を拝見した後、茶室に向かう露地から見上げると、1994年に木造で再建された掛川城の美しい天守閣が目に入り、その雰囲気自体が独特の素晴らしさだ。ちょうど梅が咲いており、茶事らしく季節感も存分に感じさせてくれる。

 こういった導線を通って、広間に入ると、現代アーチストの名和晃平さん作(表具は大窪恒男さん)の風炉先屏風(ふろさきびょうぶ、茶道具の一つ)を拝見する流れになっている。

 その隣りの床の間の掛け軸は、ミヤケマイさんという現代画家が、掛川に残る“くじら山伝説”を踏まえて描いた獅子舞とくじらの絵だ(軸先は、早春にあわせた色で竹廣泰助さんが焼いたもの)。

 こういった具合に、伝統的な茶道の方法論を踏まえた上で、どこかにポップ感、コンテンポラリー感があるアートを楽しむ、という趣向だった。

(今回は、7名のアーチストと作品にちなんで、「北斗七星」という題がついていた。茶道やアートがお好きな方々のために、7つの茶道具のうち残りの5つも挙げておく。
─ 中村ケンゴ(棗=なつめ):アクリルは俵藤ひでと
─ 東泉一郎(茶杓=ちゃしゃく):茶杓筒は竹村旬子
─ 土屋公雄(水指=みずさし):石彫は山田将晴
─ 本田健(茶碗):陶芸は本田恵美
─ ひびのこづえ(釜):鍛金は相原健作)

 アートと観光、アートと地域おこし、といった活動に興味があって、いろいろな地域にお邪魔してきた。このコラムでも、新潟の大地の芸術祭(「新潟の『大地の芸術祭』に見る地元の巻き込み方」[2015年9月28日配信記事])や岡山芸術交流(「『世代を超えた文化の継承』が観光の根っこに」[2016年12月19日配信記事])について過去に触れさせていただいたので、ご記憶の読者もいらっしゃるだろう。

記事のレビュー・コメント投稿機能は会員の方のみご利用いただけます






コメントを残す