巨人が田淵の「トレード」に挙手 – 産経ニュース

Home » オーナー制度 » 巨人が田淵の「トレード」に挙手 – 産経ニュース
オーナー制度 コメントはまだありません

 まさに寝耳に水の“爆弾発言”だった。

 「田淵君を阪神が獲得し、巨人にトレードを申し込んできたら、われわれは即座に応じる用意がある」

 昭和43年11月19日、阪神の15代監督に後藤次男の就任が決まった日、東京の読売新聞本社で巨人の正力亨オーナーがこう発言したのである。

 さては、もう水面下でトレードの動きがあるのか-と、報道陣は色めき立った。慌てたのが阪神だ。戸沢一隆球団社長がその日のうちに「何も聞いていないし、考えもない!」と否定した。

 正力発言の「田淵君」を「江川君」に置き換えれば、まさに53年オフ、球界を揺るがしたあの『江川騒動』へとつながっている。53年の場合、野球協約では他球団へのトレードを前提とした契約を厳禁していた。当然、今も「野球協約違反」である。

 ところが、43年当時のドラフト制度にはそれを禁止するルールはまだなかった。もちろん、そのようなトレードが活発化すれば「選手を平等に配分しよう」というドラフト制度の趣旨に反することはどの球団も承知していたが、球界全体の思いは-

 (1)ある程度、選手の希望を通してやろう

 (2)入団拒否を避けられ、プロ野球に選手を吸収できる

 (3)トレードで互いの球団もプラスになる-という見方の方が強かったのである。

 鈴木竜二セ・リーグ会長や井原宏コミッショナー事務局長も「両球団がプラスになれば結構ではないか」という見解を示した。

 とはいえ、まだ田淵の気持ちが「阪神」に向いてもいないこの時期に、なぜ、正力オーナーは「トレード」と先走った発言をしてしまったのだろう。

続きを読む

コメントを残す