ふくしま創生に挑む 「3.11」を迎えて | 東日本大震災 | 福島民報 – 福島民報

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 東日本大震災からきょうで丸6年となった。巨大地震、大津波、東京電力福島第一原発事故という未曽有の複合災害は今なお県民を苦しめている。だが、苦しみを乗り越えようとする県民の頑張りが、少しずつ暗い影を拭い、県土は再び光を取り戻しつつある。被災地は今春、大きな節目を迎える。福島第一原発が立地する双葉、大熊両町と帰還困難区域を除くすべての地域で避難指示が解除される。未来の子どもたちに自慢できる福島県をつくるため、苦難を乗り越えてきた誇りを胸に挑戦を重ねよう。
 6年前の絶望に近い気持ちを多くの県民が思い出すはずだ。死者・行方不明者は4100人を超す。このうち長引く避難に伴う震災(原発事故)関連死は2100人余り。身近な人を失った悲しみを、多くの県民が今も抱えている。
 「すぐ帰れる」と思って離れた古里に帰れない避難者が県内外に8万人近くいる。不安定な生活に不安や怒りが募る。福島第一原発の廃炉作業は順調とは言いがたい。格納容器内は高い放射線量が観測され、溶融燃料を取り出せる見通しは立っていない。
 一方で県民に自信をもたらす話題は増えた。本県沖の魚介類は昨年初めて、1年を通した検査で放射性物質の基準値超がゼロになった。県産米も3年連続で基準値超ゼロを達成した。県産桃の海外輸出は、昨年初めて震災前を上回った。
 復興の基礎は県土、県民を元気にすることだ。弊社は「地域づくり会社」を新たな社是に掲げ、ものづくりの「情熱」と「挑戦」をたたえる「ふくしま産業賞」を平成27年度に設けた。先月には2回目の表彰を行い、逆境で技術と製品を磨いてきた事業所を県民の宝とたたえた。弊社は新年度、浜通りの創造的な復興を推進する浜通り創生局を新設する。産業振興部も設け、本県の隅々から宝物を掘り起こし、成長を支援する。
 国などによる福島・国際研究産業都市(イノベーション・コースト)構想が動きだし、航空宇宙関連産業、再生可能エネルギー、医療機器の開発など本県を新産業の創造地とする事業も進む。
 先に避難指示が解除された場所では、先駆者がかつての生活を取り戻そうと格闘している。春には20キロ圏では初めて高校や小中学校が再開する。弊社は課題に立ち向かう県民の営みを発信し、後押しするため双葉郡の22支局の事務所を再開した。
 広い県土を見回せば、少子高齢化などによる集落の疲弊もある。隠れた宝を掘り起こす取り組みを広げ、活力と自信につなげたい。
 殺風景だった浪江町の請戸港に翻った大漁旗は、われわれに勇気を与えた。顔を上げよう。前を向こう。
 手を携え「ふくしま創生」の道を切り開いていこう。

福島民報社

カテゴリー:福島第一原発事故






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