社説:こまち開業20年 誘客効果の波及目指せ – 秋田魁新報

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 JR秋田新幹線「こまち」はきょう22日、開業から20年の節目を迎えた。1997年3月以来、本県と首都圏を結ぶ大動脈として、人々の往来を支えてきた。97年は秋田自動車道が東北自動車道とつながった年でもある。高速交通体系の整備が進む中にあって、こまちがその大きな柱であることは今も変わらない。次の10年、20年へ、観光分野などで地域振興をけん引していくことを期待したい。

 こまちは初年度の利用者数が233万人だったが、東日本大震災発生後の2011年度は初めて200万人を割り込み178万人と落ち込んだ。だが料金割引サービスなどを展開した結果、翌12年度には213万人と回復。13~15年度は220万人台になった。震災後の厳しい状況を乗り越えたことを胸に刻み、JR東日本は一層のサービス向上に努めてほしい。

 利用者数がこれまでで最も多かったのは07年度の237万人。開業10年の節目に当たり、さまざまな記念事業を展開した効果が出た。開業20年の今年は、4~6月にJRや県が本県を宣伝する大型観光キャンペーンを首都圏などで展開し、誘客を図る予定だ。市町村も地元観光素材のPRを強化し、交流人口拡大に向けて秋田の魅力を存分にアピールしたい。

 さらなる飛躍を目指す上で、ベースとなるのが安全面の対策だ。13年3月には神宮寺―刈和野間で初の脱線事故が発生。けが人はなかったものの、乗客約130人が約6時間にわたり車内に閉じ込められた。線路内にできた雪の吹きだまりが原因で、除雪の在り方が問われた。

 これを教訓にJRは防雪柵を増やしたほか、冬場は積雪量にかかわらず毎日、最終列車の運行後に除雪車を稼働させる「予防除雪」を始めた。その後同様の事故は起きておらず、12年度は63本あった雪による運休も13年度11本、14年度3本と大幅に減り、15年度はゼロになった。

 こまちは在来線を走るミニ新幹線だけに、事故防止対策には細心の注意を払わなければならない。開業20年の節目に当たり、JRには安全第一の姿勢をいま一度確認してもらいたい。

 観光振興を進める上での課題は、波及効果が依然として沿線の一部にとどまっていることだ。こまちの停車駅がある仙北市角館町は開業後、全国から観光客を呼び込むことに成功したが、効果が周辺地域に及んでいるとは言い難い。内蔵で知られる横手市増田町や秋田内陸線でつながっている県北地域など、こまち効果を広げていく取り組みがもっと必要だ。

 そうした中で大切なのは、駅と観光地を結ぶ2次アクセスだろう。いくら魅力的な観光地でも、最寄り駅から手軽に利用できる交通手段がないと観光客を増やすのは難しい。地元自治体や観光業界はJR、バス会社などと連携して2次アクセスの向上に全力を挙げてほしい。






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