(3)農業 – 産経ニュース

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 □ベジフルファーム社長・田中健二さん(39)

 ■「新規参入しやすい環境を」 

 --千葉の農業の課題は

 「もともと青果物の仲卸人として市場で働いていた。かつて千葉県の野菜は市場関係に強くて、千葉の全農のマークが入っているとワンランク上に見られる傾向があった。茨城県産の方がモノが良かったとしても、千葉より安かった。そうやって千葉は天狗(てんぐ)になっちゃった。一方で茨城の人たちはコツコツと産地契約による市場外流通をやっていた。時代の流れで今はそっちの方が主流になり、千葉よりも茨城の方が強くなったという感じがする。千葉は天狗だった頃を忘れられずに、次の段階に行けないのではないか」

 --県内でも耕作放棄地が問題になっている

 「国が農地バンク(農地中間管理機構)などの取り組みをしているが、実際には良い情報はなかなか集まらない。農地の売買や貸し借りは、農家同士のコミュニティーで成立することが圧倒的に多いので、うまく回っていないのではないか。行政のやり方も『バンクを作っただけで終わってね?』って気がする。例えば『千葉県は今年度、50ヘクタール以上の耕作放棄地を畑に戻します』と明言して、成果も公表してほしい。売れない農地が多いのも事実だ。こうした休耕地を県が買い取って集約し、そこに大手事業者を誘致するといった『農業開発』を積極的にやってもらえればと思う」

 --農家の高齢化、後継者不足も深刻な状況にある

 「僕たちがコマツナやニンジンを作っている富里市は若い農家も多いが、それでも跡継ぎがいるのは半分ほど。まだ60~70代の人たちが担っているような家が多く、今後減るのは間違いない。単純に若い就農者を増やせばいいかというと、農業は新規参入しても飛んじゃう人が多い。もっと手厚い、僕らが羨(うらや)ましがるくらいのバックアップ態勢を用意して、若くて意欲のある人が農業をしやすい環境を県に作ってもらいたい」

 --今年2月にビジネス書を初出版した。タイトルの「組織は人」に込めた思いとは

 「今はスマホやSNSなど生活を豊かに、便利にしてくれるものがある。僕にとって人とはそういったもので、仕事上『良い人に出会った』というのが『良いアプリケーションに出合った』ということに似ている。自分ができなかったことが、その人との出会いによってできるようになる。農業も機械化が進み、人というものが置き去りになりつつある。AIやIoTの進化は目覚ましいが、やっぱり組織の中では『人』を大事にしたい」

 --人手不足の中、ベジフルファームはユニークな求人広告で人材を集めた

 「農業は結構きつい仕事なので、すぐ嫌になってしまう。僕の会社はサイトの求人ページに『元ヤン募集』と大々的に書いて、実際にそういう人も働いている。すねに傷を持った人とかの方が農業は頑張れるんじゃないかと思って採用している」

 --千葉県という組織を率いる知事に求めることは

 「思い切ったことをやって失敗してもいいと思う。次に生かせばいい。失敗したからといって辞めるのは無責任だ。民間企業なら、損を損で終わらせてしまったらそこで終わってしまう。1円でもいいから押し戻してやろうという胆力が必要ではないか」(城之内和義)

                   ◇

【プロフィル】田中健二

 たなか・けんじ 18歳で農業関連に従事。仲卸・物流・管理・営業を経験した後、平成24年に農業生産法人ベジフルファームを設立。富里市や流山市で営農を始める。10代で暴走族「鉈出殺殺(なたでここ)」の初代総長(メンバーは2人)だった経験を生かし、ホームページに「元ヤン人員募集」「パンチパーマ優遇」といった求人広告を掲載して注目を集める。29年2月にビジネス書「組織は人 元ヤン農業法人の鬼アツ経営論」(洋泉社)を初出版。座右の銘は「黄金の奴隷たるなかれ」。松戸市在住。






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