聞き取り冊子、マップに 散策コース設定、看板も – 中日新聞

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看板を手にする高橋昭市会長=石川県珠洲市宝立公民館で

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 平安時代初期の僧侶、空海(弘法大師)にまつわる伝説を集める作業が、石川県珠洲市宝立(ほうりゅう)町で進んでいる。地域振興に取り組む人や歴史に関心を持つ人らでつくる実行委員会は、9月から始まる奥能登国際芸術祭までに伝説集や伝説マップを作るほか、案内看板を設置して広くアピールする計画だ。(近江士郎)

実行委、作業に熱

 空海が訪れたことを記した文献などの記録はないが、名所の「見附島」をはじめ、空海が足を洗ったとされる「足洗いの井」、袈裟(けさ)を掛けたといわれる松の跡地「袈裟掛けの松旧地」、空海が開いたとされる真言宗高野山派「法住寺」など数多くの伝承がある。

 事務局の宝立公民館によると、宝立地区には空海にまつわる伝説や場所が数多くあることから、空海伝説をたどるウオーキングコースの設定を目指し、昨年五月に「宝立町空海伝説研究会」を設立した。

 本年度からは伝説を地域活性化に活用しようと、会の名称を「宝立町空海伝説活用実行委員会」に改称した。会員は三十二人。

 作業部会を設けて毎月一〜二回、打ち合わせを行い、町民からの伝承の聞き取りや現地視察などをしてきた。この結果、空海が佐渡から能登へ来た時に見つけたと伝えられる「見附島」をスタート地点に、車で行ける四・九キロのウオーキングコースと、車が入れない山道などを含む六・九キロの二コースを設定した。木製の看板も作った。

空海伝説の始まりとされる見附島=石川県珠洲市宝立町で

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 伝説集はほぼ仕上がり、校正作業中。マップは伝説集をベースに作製する。高橋昭市会長(73)は「地域活性化につながれば、との思いでやっている。地域の皆さんの熱意を感じる」と住民の協力に感謝する。

 空海伝説が多く残る理由について、地元の民俗学研究家、西山郷史さん(70)=飯田町=は「修行僧が法住寺を拠点としたことから、彼らによって伝説が広まり残ったのではないか」と推測。さらに「伝説を知らない人も多く、忘れ去られてしまう可能性もある。掘り起こしていくことは重要なこと」と評価する。

 見附島 空海が佐渡から能登へ渡ってきた際、この島を目にして上陸したため、見附島の名前が付いたとの伝承がある。石川県を代表する景勝地。昨年8月に市の天然記念物、今年1月に県の天然記念物と名勝の指定を受けた。その外見から「軍艦島」とも呼ばれる。

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