「地方創生」事業採択数に差 – 読売新聞

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 地方創生関連交付金が導入されてから今年度で、実質的に3年目に入った。4種類の交付金が配分されてきたが、採択事業の件数では、県内の市町村の間で差が出ている。国が設定する事業分野との合致や、事業を運営する職員数などが影響しており、「自治体の実情に合わせて、もっと使いやすくしてほしい」との声も上がっている。(梁田真樹子)

 採択事業数が最も多いのは前橋市の7件。このうち3件が、東京圏から元気な中高年層の移住を促す「前橋版CCRC」関連事業だ。

 市政策推進課によると、2015年度に市の総合戦略を策定する際、充実した医療環境を生かせるなどとして、構想が持ち上がった。政府が交付金申請対象の事業でCCRCを位置づけたこともあり、事業化を決めた。

 みなかみ町は15年、合併10周年を迎えたことに合わせ、観光振興を柱とした町政のビジョン(構想)を検討してきた。DMO(観光地域づくり推進法人)設置などの事業について、観光振興をメニューに挙げる交付金を申請。観光関連の4事業を含む5件で交付された。岸良昌町長は「検討していた町の将来像と、交付金などの仕組みがかみ合った」と振り返る。

 下仁田町は、特産の下仁田ネギやコンニャクの加工品を町内の道の駅で販売し、雇用創出につなげる事業などが採択された。しかし、小中学生にタブレット端末を配り、学校の授業で生かす計画は認められなかった。

 福岡県うきは市職員だった吉弘拓生副町長は「教育を充実させれば、町にとどまる家族を増やすことにつながる。だが、それは交付金のメニューに該当しないと判断された」と説明する。「地域ごとに課題は異なる。それぞれの事情に合わせて柔軟に交付金を使えるとよいのだが」と本音を漏らす。

 これまで採択事業がない大泉町は、人口の約17%を占める外国人への対応が最大の課題だ。村山俊明町長は「外国人対応の施策は、地方創生の事業に合わない。やり方を変えるよりも、独自の取り組みを維持した方がよい」と語る。

 規模の大きい自治体では、様々な事業に人材を割り振ることができるのに対し、小規模な町村部ではそれが難しいという事情も、採択事業数の差に影響しているようだ。実際、市部の採択事業数は36件。県全体の80件の半分近くを占めた。

 高齢化率全国一となった南牧村は、住宅整備など二つの事業で昨年度、拠点整備交付金の交付決定を受けた。加速化交付金でも1事業が採択されている。

 長谷川最定さいじょう村長は「いずれの事業も、地方創生が始まる前から温めてきた。行政の規模や能力に合わせ、必要なことだけを実行するべきだ」と指摘。「人口数や構造、都市部と僻地へきちなど、自治体によって条件が異なる中で、一律の制度を当てはめることには無理がある」と語る。

【地方創生関連交付金】

 地方版総合戦略に基づいた自治体の先進的な事業を補助する目的で設けられた。2014年度補正予算で「先行型」が計上されたのが最初。各自治体に一律に配分する「基礎交付」(1400億円)、外部審査で採択した事業や総合戦略を早期に策定した自治体に割り振る「上乗せ交付」(300億円)が措置された。

 15年度補正予算では、自治体の事業費全額を補助する「加速化交付金」に1000億円を計上。16年度当初予算では、事業費の半分を補助する「推進交付金」1000億円が盛り込まれた。17年度当初予算でも1000億円が計上された。

 一連のソフト事業を対象とした交付金に加え、16年度補正予算では、公共施設整備などのハード事業に使うことができる「拠点整備交付金」(900億円)が初めて設けられた。






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