民泊Airbnbは「航空券予約」事業に参入するのか? 民泊業界の未来を複数シナリオで予想してみた【外電コラム】 – トラベルボイス(公式)

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民泊Airbnbは「航空券予約」事業に参入するのか? 民泊業界の未来を複数シナリオで予想してみた【外電コラム】

バケーションレンタル業界から目がはなせない。エアビーアンドビー(Airbnb)の大躍進、スタートアップへの投資、人気の恩恵にあずかろうと動くホテル、中間層の統合・合併。この記事では、この先、世界でどのような新展開があるのか、複数のシナリオを予測してみた。

※著者アンドリュー・マコーネル氏は、レンティッド・コム(Rented.com)の創業者で最高経営責任者(CEO)。

Airbnbがバケーションレンタル運営会社を買収

Airbnbの狙い、これまでに得た潤沢な資金力、そして今後進むべき方向性を考えれば、同社が引き続き拡大路線を進むことは自明の理だ。これまでにも10数社以上の買収を完了している。

なかでも圧倒的に規模が大きく、注目度も高い案件といえば、同社がつい最近、数億ドルで買収したラグジュアリー・リトリーツ (Luxury Retreats)だ。登録物件数を増やし、予約ビジネスを拡大するのは既定路線だが、この買収劇で、もう一つ、Airbnbがラグジュアリー市場への関心を強めていることが明らかになった。

さらに一歩進んで、物件のマネジメント全般という面倒な仕事にも手を広げる可能性はあるのだろうか? ――意外に思えるかもしれないが、全くありえない話でもない。

Airbnbは昨年夏、貸切り物件を提供する「ソノマ・セレクト(Sonoma Select)」プログラムに着手。これに伴い、マネジメント業務にも関わるようになった。この試みは大成功を収め、利益マージンも同社の従来型ビジネスよりずっと高かったと聞く。

Airbnbは「スーパーホスト検索(Find a Superhost)」で検索できる機能を加えるなど、よりプロフェッショナルなサービスを提供できるマーケットプレイスを目指している。こうした方向性を考えると、同社自身が運営のプロになってしまうのも、選択肢として理に叶っている。

賢明な読者のみなさんはよくご存じの通り、日常的なオペレーション業務全般というのは、最もやっかいな分野だ。予測不可能でありスタンダード化も難しい。だからこそ、もしAirbnbがこの分野に進出するなら、バケーションレンタルのマネジメント会社を一つ、場合によっては複数社、傘下に収めることは充分にあり得る。

ではその場合、ターゲットは誰か?

都市部のレンタル物件が引き続き同社の主力商品であるなら、民泊運営会社のソンダー(Sonder)やピロー(Pillow)は悪くない。意表を突いて、高級アパートメント、例えばバカーサ(Vacasa)を買収したら大騒ぎになるだろう。ラグジュアリー・リトリーツ買収の路線を踏襲し、ユートピアン(Utopian)やインバイティッド・ホーム(Invited Home)など、富裕層向けブランドを獲得するのも良さそうだ。

いや、まったく逆方向へと動き出す可能性もある。

富裕層向けの流通ビジネスはすでに獲得したので、今度は違う方向、例えばホステルの流通に参入する可能性はどうか。例えばホステルワールド(Hostelworld)あたりが買収候補に挙がりそうだ。

バケーションレンタル運営大手が流通サイトを買収するシナリオも

Airbnbなど流通サイトがバケーションレンタル運営(VRM:vacation rental management)事業に進出することが論理的に間違っていないのなら、逆も然りだ。旅行業界に詳しくない人でも、ホテルとOTAの攻防について聞いたことはあるだろう。ホテル側は自社直営ウェブサイトで、もっと多くの予約を取りたがっている。

いっそOTAを自分の会社にしてしまえば、すべてが解決する。OTAに支払う手数料が減る、あるいはゼロになることは、利益率の向上を意味する。

最近では、ウィンダムによるウィムドゥー(Wimdu)買収が記憶に新しい。このシナリオは、斬新でも意外でもない。例えばバカーサ(Vacasa)には、最大4000万ドルまで投資する余力があるが、同社がウィンダムと同じことを考える可能性は? 2100万ドルの投資資金を得たターン・キー(TurnKey)はどうだろう。バケーションレンタル・プロ(Vacation Rental Pros)は、別の買収案件のために銀行から2700万ドルを借り入れたばかりなので、ちょっと難しいだろうか。

可能性はある。だがVRM各社にとっての買収先候補はどこになるのか?

周知のとおり、特に有名ではない物件登録サイトならたくさんある。ウィムドゥーの例を挙げたが、物件登録サイトの多くは、ホームアウェイ(現エクスペディア傘下)やトリップアドバイザー傘下に収まった。それでもまだ同じようなサイトは多く、エグジットの機会を探している。

こうした新興企業にとって、VRM各社は救世主になるかもしれない。エクスペディアがホームアウェイを買収したことで、当初のエグジット戦略見直しを余儀なくされた新興企業は少なくない。

バケーションレンタル各社が、都市部での民泊運営会社を買収するシナリオ

「宿泊施設の今までにない選択肢」を巡る需要がここ数年で急拡大した要因は、ただ一つ。都市における民泊(短期滞在向けレンタル)物件を運営するプロが増えたことだ。

市場の拡大と、この新しい宿泊セグメントに対する投資熱により、ソンダー(Sonder)、ピロー(Pillow)、ステイ・アルフレッド(Stay Alfred)、ブック・アーバン(BookUrban)などが急成長を遂げた。

一方、長年の経験があるVRM各社は、都市部のレンタル事業展開でも活かせるノウハウが豊富だ。例えば物件オーナーとの付き合い方、利用者に滞在を満喫してもらい、さらにリピーターを獲得する方法に長けており、その上で、もちろん利益も確保する。

新興勢力の躍進を目の当たりにし、都市部マーケットの可能性に目覚めた既存のVRM各社が、このトレンドに乗り遅れまいと、Airbnbなどの短期滞在レンタル・民泊運営会社(STRM:short-term rental managers)を買収する可能性はどうか? ――おそらくあり得るだろう。

もしくは、民泊仲介会社がバケーションレンタル企業を買収するシナリオも

前述の通り、STRMの多くは、それぞれが何千万ドルものファンドを獲得してきた。その一部を事業拡大に向けて投資し、伝統的なVRM買収に充てるのはどうか。

新興企業が歴史あるエスタブリッシュメント企業を買収するなんて可笑しいだろうか。だがAOLは新しいテクノロジー・ビジネスで投資家を熱狂させ、株価は急騰。レガシー企業のタイム・ワーナーとの合併を成功させた。

つまり「あり得る」ということだ。ただし、このディールのその後の顛末はみなさんよくご存じの通り。

最後に大胆な予測を駆使して、Airbnbが何10億ドルもの資金をどこに投資するか考えてみよう。

最近の資金調達では、さらに8億5000万ドルを獲得し、この使い途に注目が集まっている。同社CEOのブライアン・チェスキー氏は、現在の主力ビジネスである短期滞在レンタル事業について、将来的には、同社売上の半分以下になると明言している。一体、どこへ向かうつもりなのか。 ストーリーをいくつか考えてみよう。

1. Airbnbと航空事業

間違いないのが「航空券予約」事業だ。すでにAirbnb自身がフライト事業への進出を表明しているが、それだけが理由ではない。「旅行業界のアマゾン」を本気で目指すなら、滞在する場所に加えて、交通手段も提供できるに越したことはない。そこでまず頭に浮かぶのは、航空券の予約エンジンだが、チェスキーは「もっと大きな話」と発言している。

例えば、航空会社を買収するのはどうか?

「そんなのありえない」? Airbnbの時価総額は310億ドル。これに対し、例えばジェットブルーは70億ドル強ほどだということをご存じだろうか。

2. Airbnbとランド事業

旅先の空港に到着したとしよう。だが予約したAirbnb滞在先までのアクセス手段がない。さて、今度はライドシェア会社を買収し、地上での交通サービスにも参入してはどうか。ただし、この分野で一番有名な会社は、さすがに高額で手が出ない。Airbnbの評価額が310億ドルに対し、ウーバーは700億ドル。だがウーバーほど有名ではないが、ライドシェア会社は他にもある。例えばリフト(Lyft)は60億ドルほど。もう少し規模の小さいところでよければジュノ(Juno)やヴィア(Via)も悪くない。

3. Airbnbとフード事業

無事に目的地の市内に入り、滞在先に落ち着いた。次は食事。これはAirbnbにとって、おなじみの分野だ。

2014年当時、すでにチェスキーは、サンフランシスコのホストたちに、自宅で料理し、旅行客にふるまうべきだと勧めていた。もっと積極的に展開するなら、買収という手段もある。例えばイートウィズ(EatWith)、ミール・シェアリング(Meal Sharing)、グナモ(Gnammo)は、いずれもコミュニティを大切にするAirbnbの気風に合っている。買収先としても相性がよさそうだ。

4. 滞在しているうちに、今度は…

目的地に到着し、滞在先を確保し、食事の場所も決まった。さて次は?

Airbnbの答えは、もちろん「トリップ(Trips)」だ。この新事業も順調に拡大しているようだ。キムキム(kimkim)や、別の旅行代理店が次のターゲットになるのだろうか。

ところで旅行中とはいえ、仕事を片付けなくてはならない時もある。そんな場合に備えて、「Airbnbしている」人のためのオフィス・スペースを提供するのも一案だ。ブリーザー(Breather)やノテル(Knotel)など、この分野ですでに成功を収めている会社もある。将来性のあるマーケットに一刻も早く進出するなら、やはり買収が手っ取り早い。

クレイジーな結論

さまざまな可能性を予測してきたが、最後には究極の結論にたどり着く。Airbnbが提唱する「訪れるだけで満足しないで、暮らしてみよう(Don’t just go there. Live there.)」の言葉通り、現地で暮らすというなら、仕事も見つけないといけない。Airbnbは仕事探しも手伝ってくれるのだろうか?

オンデマンドの仕事探しプラットフォーム、例えばアップワーク(Upwork)を買収すれば、それも不可能ではない。

それでもまだ本当の意味で「暮らしている」とは言えない。なぜなら「暮らしている」というのは、そこに住んでいる人のことだ。Airbnbがとうとう住宅販売市場にも参入か!?

例えばズィロウ(Zillow)なら、現在の市場価格は60億ドル以下だ。

めちゃくちゃな結論だって? ――よく考えてみると、そうでもないはずだ。

※編集部注:この記事は、世界的な観光産業ニュースメディア「トヌーズ(tnooz)」に掲載された英文記事を、同編集部から許諾を得て、トラベルボイス編集部が日本語翻訳・編集しました。

※オリジナル記事:Just some of the paths Airbnb (and vacation rental) might take in 2017







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