自転車推進法 地域活性化にも生かしたい – 読売新聞

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 日本国内の自転車保有台数は約7200万台に上る。その利用を進めることで、交通混雑の緩和や二酸化炭素の排出量削減、国民の健康増進など様々な効果が期待できよう。

 交通手段としての自転車の役割拡大を目指す自転車活用推進法が施行された。超党派の議員立法によって、昨年末に成立した。

 自転車専用道路などの整備や安全教育、地域活性化など14の重点施策を挙げ、国に推進計画策定を義務づけた。5月5日を「自転車の日」、5月を「自転車月間」とそれぞれ定めた。

 国や自治体は、自転車をより一層利用しやすくするよう環境整備に努めていく必要がある。

 年間の自転車事故件数は約9万件で、歩行者に対する事故も約2200件に及ぶ。自転車利用者にもルールの厳守と運転のマナーが求められる。

 自転車専用レーンは事故防止に有効だが、既存の道路に新設するのは容易でない。国土交通省は、設計段階でレーンを確保しやすくするために、道路構造令に新規定を設ける方向で検討している。

 愛媛県では、自転車の傍らを通過する車両に、1・5メートル以上の安全な間隔を保つよう求める運動を展開している。

 官民の創意工夫によって、自転車を快適に利用できる街づくりを進めていくことが望まれる。

 岐阜県と三重県を結ぶ養老鉄道など一部のローカル鉄道では、自転車をそのまま車内に持ち込めるサイクルトレインを運行中だ。

 静岡県袋井市は、60歳以上の市民に、電動アシスト自転車の無料貸し出しなどを行っている。

 こうした取り組みを地方創生にもつなげたい。国の推進計画策定にあたっては、自転車利用率や住民の満足度などを数値目標とするのも一つの方法ではないか。

 自転車を観光振興に生かし、成果を上げている事例もある。

 広島県尾道市と愛媛県今治市を結ぶ西瀬戸自動車道(しまなみ海道)には、自転車歩行者道も整備され、国内外から年間約32万人の自転車愛好家が訪れる。

 「自転車のまち」を掲げる宇都宮市は、周遊コースや更衣室を備えた施設を設け、誘客に成功した。工具を常備した「自転車の駅」も市内48か所に開設している。

 東日本大震災の被災地では、震災の直後にガソリン不足が深刻化する中で、自転車が支援物資の運搬などに大きな威力を発揮した。震災などの非常時も視野に、自転車の積極的な活用を考えたい。






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