若者主体で進む金沢、信州上田、久留米の中間支援 | 新・公民連携最 … – nikkei BPnet

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2016年度の「地域づくり活動支援体制整備事業」に採択された中間支援組織6団体のうち、後編では地域に根ざす“若いチカラ”が主体となった3団体の取り組みにスポットを当てていく。ジビエ、若者の農業支援、伝統工芸品の現代化、クラウドファンディングの導入といったテーマは、他地域でも参考になりそうだ。(前編はこちら

金沢市など
――瓶詰め商品とジビエで里山ビジネスに活路

中間支援組織名:金沢ソーシャルベンチャー推進協議会
中間支援組織構成者:金沢市、北國銀行、ガクトラボ、迅技術経営
地域づくりの担い手:NPO法人くくのち、ライフスタイル
取り組み1:地域の農作物を生かした瓶物の加工施設設定ほか
取り組み2:害獣を活用した商品の価格設定と新規狩猟者の開拓企画
取り組み3:中間支援組織の体制整備
報告者:仁志出憲聖氏(ガクトラボ代表取締役社長)、森研介氏(迅技術経営、中小企業診断士)

ガクトラボの仁志出社長(左)と、迅技術経営の森・中小企業診断士(右端)(写真:小口正貴)

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 人口約46万6000人(2017年3月1日現在)と、報告会に登場した6組織が活動する自治体のなかでは最も大きな金沢市。だが、今回の取り組みは市街地ではなく、市内の「里山」、例えば富山県境にある東原町、温泉街である湯涌町といった地域を舞台としている。

 支援の取り組みを牽引するのは、ガクトラボの仁志出憲聖社長と、迅技術経営の中小企業診断士、森研介氏という若い2人だ。仁志出氏は「農作物加工品とジビエ(獣肉)。この2つを事業化することで経営革新が起こせないか」との思いから活動に携わる。ここでは、金沢里山地域づくりの担い手であるNPO法人くくのち、ライフスタイルの2者と協調しながら、若者や学生との連携による事業推進に取り組んでいる。

地域の農作物を生かした商品の販売(左)と、学生によるイノシシの解体(右)(資料:金沢ソーシャルベンチャー推進協議会)

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 取り組み1の担い手、くくのちは以前から東原町をベースに自然と共存する地域づくりを行っており、中間支援組織は里山の資源を生かした瓶詰め商品の商品化と販路開拓をサポートする。瓶詰め商品はこれまでも「MIZUBASHOU FOODS」というブランド名で存在したが、わずか36世帯による手作業で作っていた。消費期限までの期間が短いこともあり、小ロットの供給になることから、加工の委託先を探すことにも苦労していた。

 そこで、北國銀行と迅技術経営のネットワークを活用したところ、「小ロット生産に対応し、素材の味を生かすこだわりにも理解を示してくれる加工場を、すぐに見つけることができた」(仁志出氏)という。試作品としてたまねぎドレッシング、キウイジャムの2商品を完成させた。このキウイも東原町で生産しているものだ。

 ガクトラボは、学生インターンシップを活用して新規の販路を開拓する支援を行ってきた。くくのちと協力しながら、試作品のニーズ調査も進めた。卸先を1店舗、販売先を6カ所確保し、現在は試作品づくりから増産のフェーズへと移っている。2017年度は梅シロップ、梅ジャム、生姜ジャムを開発する予定だ。

 取り組み2では、地域づくりの担い手であるライフスタイルが事業化を目指す、若手ハンターの育成やジビエの卸を支援する。これは、イノシシなどに農作物を荒らされるのを解決する手立てでもある。全国で問題となっている獣害対策として画期的な試みではあるものの、事業の成立に至るまでの課題が多かったため、今回の支援に至った。

 スキームとしては、迅技術経営がジビエの卸価格設定や事業化のノウハウを伝授。北國銀行が事業計画書の策定を支援。ガクトラボが組織運営のアドバイスや学生インターンシップの支援を行った。これらの支援の結果、卸価格が決定し、販路調査によってジビエのサンプル導入店舗10件を開拓したことで、ジビエの本格販売への道が見えてきた。ハンターの開拓では、解体ツアーや罠見学ツアーを実施し、新規ハンターを4人確保した。そのうち3人は学生だという。

 取り組み3では、ガクトラボがウェブページを作成し、若者向けの広報を務めた。知名度を向上させるためにSNSをフル活用する体制も整えつつある。

 森氏は取り組みを振り返り、「月に1回集まって情報共有する仕組みを整え、その場で解決手段を見つけて対応できるようになったのは、大きな成果といえる。また、金融機関や行政が加わったことで広いネットワークの活用が可能になり、“線”ではなく“面”で課題を解決できるようになった」と総括した。森氏によれば、北國銀行は地銀のなかでも珍しく、創業支援チームを設けて創業希望者に対する手厚い支援を行っているという。この点も、今回の取り組みを加速させる要因になっているようだ。

 小田切氏は、「非常に可能性を感じる取り組みだ。一方で、若い人たちが主役であるだけに、今後はさらなる行政の支援が必要ではないか」と問いかけた。これを受けて森氏は、「2018年度をめどに市民活動サポートセンターをつくろうと考えており、準備委員会を17年度に立ち上げる予定。このサポートセンターと協力しながら今度の展開をしていきたい」と、行政との連携を深めていく意向を示した。仁志出氏は「事業化にこだわり、しっかりと儲けていきたい」と展望を語った。






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