東京新聞:<みらいの今 横浜臨海部事情>(中)進むオフィス集積 地の利 … – 東京新聞

Home » 企業誘致 » 東京新聞:<みらいの今 横浜臨海部事情>(中)進むオフィス集積 地の利 … – 東京新聞
企業誘致 コメントはまだありません



 みなとみらい21地区(MM21、横浜市西区)の変化が目まぐるしい。二〇一八年に資生堂が開く研究開発施設の予定地では、重機の音が響く。その北側には京急電鉄が一九年秋、都内から本社を移転。反対の南側は、電子機器などの韓国LGグループの日本法人が二一年、研究所を開く。近くに日産グローバル本社などがそびえる一帯は、横浜駅から徒歩圏の好立地だ。

 一九六五年、当時の飛鳥田一雄(あすかたいちを)市長がMM21の開発構想を発表して半世紀。「赤字覚悟で土地の値段を下げて企業誘致したり、『MM21計画は破綻した』と批判されたり…。じっと耐えて国際都市・横浜を体現するエリアに育った」。七九年に横浜市役所に就職、計画を進めたOBの浜野四郎さん(63)は振り返る。

 広さ百八十六ヘクタールのMM21の南側に九三年、横浜ランドマークタワーが開業。高さ二百九十六メートルは当時のビルで日本一だった。だがバブル崩壊などで、二〇〇〇年にオフィスビルで全区画を埋め、新都心を形成するという目標は頓挫。特に横浜駅に近いMM21北側は空き地が目立った。

 「転機は日産グローバル本社の進出」と浜野さん。日産は〇九年、横浜駅近くに東京・銀座から本社を移した。「移転前は二つに分かれていた本社ビルの統合、県内工場との連携強化などのメリットがあった」(同社)という移転が、空白地を埋める端緒になった。隣接して富士ゼロックスR&Dスクエア(一〇年)や横浜三井ビルディング(一二年)も開業した。

 国際会議や学会、展示会などを表す「MICE(マイス)」の需要も好調だ。MM21のパシフィコ横浜で約五千人収容の「国立大ホール」は稼働率79%(一五年度)。運営会社は「開催希望日が重なり、利用を断る件数も増えた」。実績を背景に二〇年春、隣接地に六千人収容の新施設を開業予定だ。

 活況の背景に、MM21を取り巻く交通アクセスの向上もある。もともと新横浜駅に電車で十五分ほど、羽田空港にはバスや電車で三十分超で利便性はあった。

 加えて〇八年から、新横浜駅に「のぞみ」を含めた新幹線全列車が停車。中京・関西方面への移動が楽になった。さらに一〇年には羽田空港に国際定期便が再び就航。グローバル企業の誘致に弾みを付けた。

 ケンタッキーフライドチキンなどを全国展開し、二月に東京・恵比寿から本社を移した日本KFCホールディングスは「北海道から沖縄まで広がる加盟店に定期的に行くのに便利」とアクセス性のよさを挙げる。

 市によると、MM21で埋め立てや区画整理を始めた一九八三年度から二〇一五年度までの事業費は、国費なども含め計五千二百十億円。別にMM21内の旧国鉄用地取得に千百五十一億円をかけた。この旧国鉄用地だけを見ると、全部売れても、収入は約八百億円にとどまり、三百五十一億円と年間億単位の利息が赤字になる。

 一方、MM21からの市税収入は一五年度までに計二千四百十七億円。「今後も年間百五十億円程度の収入を見込める」と市担当者は話す。暫定利用も含めた開発済みの区画は、当初目標から大幅に遅れたが、今年一月現在で85%になった。

 そんな中、資生堂の施設予定地の西隣で、異色の建設工事が進んでいる。来春から十年限定で開校予定の「みなとみらい本町(ほんちょう)小学校」だ。 (梅野光春)

現在のみなとみらい21地区=本社ヘリ「あさづる」から=横浜市で

写真


1993年のみなとみらい21地区(本社ヘリ「わかづる」から)=横浜市で

写真

この記事を印刷する






コメントを残す