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協働から総働へ 自立/行政に頼らず地域守る

地元の農道を整備する「のびる多面的機能自治会」のメンバーら=2月26日

◎東松島市の自治会制度(上)

 東松島市は住民を主体とする新たな自治会制度を全域で導入した。「平成の大合併」で2005年に誕生した市は東日本大震災も加わり、従来にないまちづくりに直面する。市民と行政に限らず、企業やNPO、PTA、各種団体が連携し総力で地域課題の解決を目指す。「総働」。協働の先へ向かう現場を訪ねた。(石巻総局・水野良将)

<市から交付金>
 東松島市小野地区にある農村地帯で今春、地域づくりへ向けた新たなレールが敷かれた。

 肘曲(ひじまがり)(世帯数約30)、西福田下(同約40)、西福田上(同約50)の三つの行政区が統合し、西福田地区自治会が発足した。
 亀山幸一会長(68)は「運営には未知の部分が多い。多くの問題が生じると思うが、会員で話し合いながら、行政に頼らないまちづくりをする」と言う。
 自治会は地域の公共サービスや課題解決の一翼を担う。そのための交付金が市から出る。

 市市民協働課の担当者は制度導入の理由をこう説明する。「人口が減ると税収が減り、市職員も減る。地域でできることは地域でやっていただきたい」

<担い手が不足>
 西福田地区自治会の設立を巡る議論は震災後に本格化したが、一筋縄では進まなかった。
 行政区ごとに既存の農業関連の組織などがある。区費の金額や徴収方法が違う。統合するべきか、独立を維持した方がいいのか。意見は割れた。

 「独立したまま自治会制度に移行して、俺たちの世代に宿題を残していくのすか」。昨年春、各行政区の関係者ら約10人が参加した会合で、若い世代の男性の訴えが統合への引き金になった。

 3月末で廃止された従来の行政区長制度は約60年間続いた。05年に旧矢本、旧鳴瀬両町の合併で東松島市が誕生。広域化により、行政サービスが行き届かない恐れがあった。少子高齢化に伴い、役員の担い手不足や活動の形骸化も課題として浮上した。

 「住民が十分に議論し、負担を減らして地域で農村を守る体制を組んだ」
 自治会制度の全域導入を先取りし、14年に発足した「のびる多面的機能自治会」のメンバーがそう語る。同自治会は津波で被災した野蒜地区のうち、中下(なかしも)地区の自治を担う。

<役職15に整理>
 地元の約50世帯の大半が農業に携わる。行政区当時、農協支部や土地改良区など計約70に上っていた地域の役職を約15に整理。自治会の事務局は農業法人「アグリードなるせ」に構え、事務作業や活動のコーディネートを引き受ける。

 会員には復興支援を続ける一般財団法人C・W・ニコル・アファンの森財団(長野県)など外部の5団体も名を連ね、地域活動を活発化させている。
 年間予算は約1000万円。財源は会費、市の交付金、水路や農地の管理に関する国の多面的機能支払い交付金など。自治会の仕事には時給1000円の対価が支給され、住民らが農道の整備などを手掛けてきた。

 佐々木豊会長(67)は「今後も自治会の規約に賛同するさまざまな人々を受け入れていきたい」。横断的な力を結集し、地域力の向上を図る。

<東松島市の自治会制度>市が本年度、市内全域で導入した。約110あった従来の行政区を廃止し、約70の自治会に再編。市は各自治会に対し、世帯数に応じた地域まちづくり交付金を配分する。自治会は任意団体で、世帯数は最多が約900、最少が約30。交付金を地域での活動などに充て、役員報酬も支払う。

2017年05月08日月曜日






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