ポッポ汽車 誕生時の姿再び 小松 尾小屋鉄道 復元へ – 中日新聞

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(上)天井の塗料を剥がす作業をする会員たち(下)車両内を修復している木造客車「ハフ1」=いずれも石川県小松市尾小屋町で

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 「ポッポ汽車」と親しまれ、かつて尾小屋鉱山(石川県小松市)の鉱山鉄道として活躍した尾小屋鉄道。廃線から今年で四十年。車両の修復や保管を担う有志グループが、大正時代から走っていた木造客車「ハフ1」のトタン張りの天井に隠れていた製造当時の木製天井を発見し、当初の姿に復元しようと奮闘している。製造から百年を来年に控え、「百歳の誕生日はきれいな姿で迎えてほしい」と七月中の完成を目指す。(竹内なぎ)

木製天井 トタンの下に残っていた

 客車は同市ポッポ汽車展示館で展示、公開されている。有志グループ「なつかしの尾小屋鉄道を守る会」の坂井稔樹(としき)会長(54)=同県白山市富光寺町=は、見学に訪れた子どもがさびだらけのトタン天井を「お化け屋敷みたい」と怖がる姿を見て、新しいトタンに張り替えることにした。

 四月初旬、古いトタンを外すと中から現れたのは製造当時の木製天井。ハフ1の屋根にあったとされる通気口の跡も確認し、作業していた会員たちが思わず「おおっ−」と歓声を上げた。「木製天井は博物館でしか見たことがない。宝物を掘り当てたような感動を覚えた」と坂井会長。木製天井はすきま風が入ってくるようになったため、昭和三十〜四十年代にトタンを張った可能性が高いという。

 「新しいトタンで天井を覆わず、製造当時の姿に復元できないか」。坂井会長が展示館を管理する小松市に掛け合い、四月中旬から修復を開始。会員は全国各地に六十人ほどいるが、修復作業は週末、坂井会長ら石川、愛知両県の四人を中心に行っている。トタンを外した後、現在は固くこびりついた古い塗料をサンドペーパーで剥がすのに一苦労。剥がれた粉が車両中に舞い、顔を真っ白にしながら朝から晩まで作業に励んでいる。

 今後は、製造当時に塗られていた薄い緑色の塗料で天井のほか側面を塗り直す計画。坂井会長は「訪れた人に大正時代の面影を楽しんでもらえたらうれしい」と完成を心待ちにしている。

来年100歳 貴重な保存客車

 尾小屋鉄道は1919年に開通した。新小松−尾小屋間(16.8キロ)を結び、尾小屋鉱山の鉱石や資材を輸送したほか、沿線住民の移動手段としても活躍。77(昭和52)年に廃止されたが、線路幅が標準より狭い762ミリで、生活路線では国内最後の非電化軽便鉄道だっただけに、全国の鉄道ファンが廃線を惜しんだ。

 鉄道博物館(さいたま市)によると、木造客車が保存されているのは全国的にも珍しく、18年に製造されたポッポ汽車展示館の木造客車「ハフ1」は貴重な資料。

 テレビドラマ「キイハンター」(71年放送)では同型の客車が主演する千葉真一さんの格闘シーンに登場したほか、映画「男はつらいよ 柴又慕情」(72年公開)では寅さんを演じた故渥美清さんが同鉄道の金平(かなひら)駅でロケをしている。

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