<復興CSR>両翼で支える – 河北新報

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<復興CSR>両翼で支える

◎トモノミクス 被災地と企業[46]第10部 展開(2)かんがえる/投資と消費

 投資と消費が社会を変える。より高い配当、より安価を追求する私的な経済行為が社会性を帯びたとき、復興を支える「意思ある投資と消費」に昇華する。
 東日本大震災から8カ月後の2011年11月、気仙沼信用金庫とNPOプラネットファイナンスジャパン(東京)が「三陸復興トモダチ基金」を設立した。目的は気仙沼市で被災した中小企業や起業の支援。金融機関とNPOの連携は国内初という。
 資金は3億6700万円。米国のNGOメーシーコープと半導体製造大手エヌビディアなどが拠出した。同信金が融資先を選定し、経営支援に当たった。
 終了までの5年間で起業76社、雇用助成94社、利子補給244社の実績を上げた。同信金の菅原務理事長(76)は「リスクばかり考えていたら産業基盤は再建できない。外部の力を得て、地域に密着した融資を実現できた」と振り返る。

 13年には日本財団、三菱商事復興支援財団と「気仙沼しんきん復興支援基金」を設立し、今も継続する。
 特定の社会課題解決に向けた資金提供や融資プログラムは「社会的責任投資(SRI)」の一形態だ。短期的な見返りは求めない。環境や人権、法令順守など財務指標に表れないCSR(企業の社会的責任)の視点で、企業活動や基金の意義を評価する。
 投資や出資で復興に貢献したい。企業にCSRを促したい。SRIは投資家や企業の思いを酌み、復興の過程で存在感を発揮した。
 震災は、消費者意識にも変化をもたらした。
 仙台市出身で東京在住の会社員森由美さん(46)は15年、震災の風化を食い止めようと宮城県出身の知人らと有志の会をつくった。数カ月に1度、宮城の食材を扱う飲食店に集い、会員制交流サイト(SNS)で店の情報を発信する。

 「米や海産物は宮城県産を選ぶようになった。被災地支援というよりは、おいしいから買って、薦めている」と気負いはない。
 震災後、被災地の商品を購入する「応援消費」が広がった。生産者の労働環境や生活水準を考え、適正な価格で長期的に取引する「フェアトレード」や環境、社会問題に配慮した消費行動「エシカル(倫理的)消費」に通じる。
 何げない日々の買い物は消費者が企業を選別する「投票」になる。
 一般社団法人エシカル協会(東京)の末吉里花代表理事(40)は「消費は個人的な行為に見えるが、お金を払った瞬間に環境や未来に影響を与えていることを知ってほしい。社会問題を解決する一端を誰でも担える」と呼び掛ける。
 社会的投資や倫理的消費の起源は、18世紀の欧米にさかのぼる。その底流にある思想は「隣人愛」だ。

2017年06月18日日曜日






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