30代「御用聞き」走る 山梨県小菅村のNPO法人 高齢農家の作業代行 営農継続下支え – 日本農業新聞

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御用聞き活動で、農家から依頼を受けて畑を耕すスタッフ(山梨県小菅村で、多摩源流こすげ提供)

 人口約740人の山梨県小菅村で、住民の要望に合わせて農作業などを代行する「御用聞き」活動が、農業振興に一役買っている。村の活性化に取り組むNPO法人多摩源流こすげが、高齢農家ができなくなった畑の耕うん作業などを代行、営農を継続させている。近年の課題だった直売所に出荷する農産物の減少にも歯止めをかけた。

 御用聞きが始まったのは5年ほど前。当時の地域おこし協力隊員が、村の現状に危機感を持ったのがきっかけだ。農家が高齢で次々に離農し、村の物産館への農産物出荷が減少。「高齢農家の一番大変な作業を代行することで、離農時期を少しでも延ばせないか」と取り組みが始まった。

 村の回覧や同法人のちらしで御用聞きをPR。これまでに畑の耕うんや草むしり、農業資材の購入代行、引っ越しの手伝いや障子の張り替えなどの依頼があり、何でも手伝った。農家からは「耕うんはできないけど畑の管理はできる。手伝ってくれるおかげで農業が続けられる」「若い人手がない中で、助かる」など好評で、利用が徐々に広がっていった。任期が終わっても御用聞きを継続してほしいとの声が相次ぎ、NPO法人が引き継いだ。

 現在は、主に同法人事務局の石坂真悟さん(35)と地域おこし協力隊の中村健太郎さん(32)が月数件の依頼に対応。事業として長く続けていくため、労賃は1時間2000円に設定。手伝った農家から「成長した農産物を見に来て」などと声を掛けられることがやりがいになっている。

 法人の存在は利用者にとって、営農と農産物出荷が続けられ、所得を確保できるメリットがある。地域にとっても、減少傾向だった物産館への農産物の出荷額が昨年下げ止まり、効果が見られた。村は「御用聞き活動のおかげで、高齢農家が営農を継続でき、耕作放棄の予防になる」と歓迎する。今後は、村と連携しながら利用料金などを見直し、より利用しやすい体制をつくっていく考えだ。

 石坂さんは「御用聞き事業で村の経済に好循環をつくりたい。農業のベテランの技を受け継ぎ、生かしていく」と話す。

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