白馬の観光協会 「民泊」新法控え村に規制要望 | 信濃毎日新聞[信毎web] – 信濃毎日新聞

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 来年初めにも住宅宿泊事業法が施行され、国が「民泊」拡大に向けた動きを強める中、北安曇郡白馬村の観光協会が民泊を認めないよう村に求めている。現状では安全面などで問題が起きかねないと主張。外国人観光客は増えているものの、観光客全体が落ち込んでいる事情もある。北佐久郡軽井沢町は民泊を認めないとする独自基準を設定した。一方で、既存の宿泊施設側の魅力づくりも不可欠―との声が上がっている。

 スキー場「白馬岩岳スノーフィールド」の麓、白馬村新田、切久保の両地区には68軒の宿泊施設がある。これらが加わる白馬岩岳観光協会によると、客室稼働率は平均15〜20%ほど。吉沢勇会長(65)は「外国人観光客の受け入れ先として民泊が必要というのは大都市の事情だ」と言う。

 同村の外国人観光客は急増し、2015、16年の宿泊者数は連続して10万人を超えた。ただ、日本人を含めた観光客総数は16年は205万人で、20年前の373万人から激減。旅館やペンションなど家族経営の施設は廃業が相次いだ。他方、外国人が廃業施設を買い取り、観光客を受け入れている例が増えているという。

 県大町保健福祉事務所が今年3月、民泊仲介サイト「エアビーアンドビー」に掲載された大北地方の施設を調べたところ、150軒のうち141軒は旅館業法の許可施設で問題がなかったが、8軒は無許可施設、1軒は所在地不明だった。無許可施設には指導中とし、外国人が制度をよく理解せず、民泊を営んでいる例があるとみている。

 こうした状況に、村内のスキー場エリアごとにある八方尾根、白馬五竜、白馬岩岳、白馬さのさかの4観光協会は、民泊参入のハードルを下げる住宅宿泊事業法に関する陳情を村議会6月定例会に提出。取り締まりができていない現状を踏まえ、「新法での違法業者の摘発が可能なのか」と疑問視。民泊が広く導入されれば「村の多くの住民が携わる宿泊施設の存続を脅かしかねない」と訴えた。

 村には、旅館業法の営業許可を受けていない施設を認めないよう意思表示する独自条例を制定することと、違法施設への取り締まり強化を求めた。陳情は「調査が必要」(産業経済委員会)と継続審査になっている。村観光課は「国の動向を見ながら、村としてできることを検討したい」としている。

 一方、軽井沢町は昨年3月、「清らかな環境と善良なる風俗を守る」との理由で、町内全域で民泊は行えないとする見解を発表。貸別荘(1カ月以上の契約で賃貸する一戸建て)を除き、民泊施設を認めないとした基準を、町自然保護対策要綱に盛り込んだ。基本的に罰則はない。民泊を巡り、町に目立った苦情は寄せられていないという。

 旅館やホテル、ペンションなど約120施設でつくる軽井沢旅館組合が15年末、民泊を認めないよう町に働き掛けた。小峰弘敬(ひろのり)組合長(71)は「質の低下につながることが怖い」。要綱が守られることに期待しつつ、「既存の宿泊施設がさらに質を上げていく努力が不可欠」と話した。

 白馬村では高齢になった経営者の事業継承や外国人の受け入れ態勢などが喫緊の課題だ。白馬岩岳観光協会の吉沢会長も「観光地として正念場を迎えているのは事実。民泊よりも現状の施設の活用を考えていきたい」とする。

(7月16日)






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