クルド勢力拡大を隣国が懸念 イラク 独立問う住民投票計画 – 東京新聞

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 【カイロ=奥田哲平】イラク北部のクルド自治政府は、過激派組織「イスラム国」(IS)の重要拠点・北部モスルのイラク政府軍による奪還を受けて国の再建が課題となる中で、九月二十五日に分離独立を問う住民投票を計画する。投票実施に反対する中央政府や周辺国とのあつれきが強まるのは必至だ。

 イラクのアバディ首相が九日のモスル解放宣言に続いて勝利演説を行った今月十日、クルド自治政府のバルザニ議長は欧州連合(EU)本部のあるブリュッセルにいた。クルド系メディア「ルダウ」によると、EU関係者らと会談し、長年の悲願である独立国家樹立に向けて支持を訴えた。

 二〇一四年にISが台頭した際、自治政府は敗走したイラク軍に代わって前線に立ち、存在感を高めた。ISから奪還した地域にクルド人の治安部隊ペシュメルガを駐留させ、自治区に近い北部の油田都市キルクークを押さえるなど、実効支配地域を広げた。

 キルクークの原油は、かつて中央政府を通して輸出されていたが、自治政府は独自にパイプラインを敷設し、北隣のトルコへ輸出を開始。収益を折半する合意を結んだ。自治政府は、キルクークなどでも住民投票を実施する考えで、現在の自治区以外の地域も分離独立要求の対象に含まれる可能性が高い。

 国家歳入の八割以上を石油収入に頼るイラク政府にとって、国内最古の油田で石油生産の一大拠点だったキルクーク油田の確保は譲れない一線だ。IS掃討後の民族・宗派間の和解促進を担当するイラク連邦議会調停委員会のヒシャム・スヘイル委員長は本紙に「イラクは一つの連邦国家だ。憲法上、住民投票は認められず、結果に価値はない」と強調した。

 住民投票には、自治区を取り囲む隣国、トルコ、イラン、シリア全てが反対。それぞれ自国内のクルド人に独立の機運が広がるのを恐れている。

 マクガーク米大統領特使も十三日、「こんな早期に、特に論争のある地域で住民投票を実施するのは、不安定化につながる」と対話を促した。

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