【 #神泉 】“裏” 渋谷・神泉の隠れ家BARで通を気取りたくなる夜 – cowcamo MAGAZINE(カウカモマガジン)

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気になるあの街はどんな街だろう。その街で活動するからこそ知り得る、街の変化の兆しや、行き交う人々の違いを「街の先輩」に聞いてみました!「街の先輩に聞く!」、 第39弾は「神泉」です。


神泉といえば、渋谷から井の頭線で1駅にある駅ですが、最近、神泉が「裏渋谷」と名付けられ、表の渋谷とは違って落ち着いた雰囲気で、渋谷ツウの人たちが集うエリアとなっています。

渋谷駅から歩いて行くと、道玄坂を上って交番前から脇道に入って少し行ったところに、神泉はあります。

裏渋谷通りへと入る道。

住所で言うと円山町と神泉町のちょうど境目にあり、その周囲は普通の飲食店もあれば、クラブもあり、ラブホテルもあるエリアだというイメージがあると思いますが、実は駅から山手通り側の神泉町にはマンションも多くあり、住宅街でもあるのです。

裏渋谷通りには、たくさんの飲食店がずらりと並ぶ。

クラブ街と住宅街が隣り合わせに。色々なものが混在しているのが、ここ神泉。

今回は、この「裏渋谷通り」から路地を少し入ったところにある、隠れ家バー「BAR すがはら」のオーナー菅原和厚(かずひろ)さんに話を聞きました。

■芸者の「置屋」だった古民家をリノベーションしてBARに

「BARすがはら」は、古民家をリノベーションし、9年前にオープンしました。渋谷のイメージとはかけ離れた古民家を、またそのイメージからはギャップがあるバーにしたというその由来についてまず聞きました。

BAR すがはらの外観。渋谷とは思えない雰囲気。(今回お話をお聞きしたオーナーの菅原さんに代わって、バーテンダーの北見尚輝さんに撮影に応じていただきました。)

ここは今の大家さんが実際に住んでいた家で、その前は芸者の置屋さんだったそうです。家が空くという時にたまたま紹介してもらって、同じ頃に古民家専門の建築家の方と知り合ったこともあり、リノベーションしてバーにすることになりました。

人と同じことをやっても仕方がないという思いがあったので、渋谷でこういう古民家でバーをやることができる縁を得られたというのはありがたいことだと思います。

一歩足を踏み入れると、中はこんな素敵な雰囲気。2階には個室もあり、まさに隠れ家。

特にこのエリアで出店場所を探していたわけではなく、たまたま縁でこの場所で古民家のバーを開くことになったという菅原さん、数年後には近くに「別館」を開くことになるのですが、料亭の離れをリノベーションしたというその店のオープンも、縁によるものだったと言います。

「BARすがはら 別館」の様子。写真左の建物の中に入っていくと、写真右の建物が見えてくる。こんなところにこんな場所が・・・! と思わず感じること間違いなし。

出会いとか縁はすごい感じます。別館も物件が空いた時にたまたま声をかけてもらったのがきっかけでしたし。近くの飲食店の方とは仲良くさせてもらってますし、そういう地域の縁を活かして、何かできたらいいねっていう話はしてますね。

■「渋谷であって渋谷らしくない」ところがいい

縁から2軒のお店を出すことになった神泉エリアについて、菅原さんはこう言います。

僕はきらびやかなのはあまり好きじゃなくて、通勤で朝渋谷に降りるとげんなりするくらいなんです。でもここに来ると安心する。渋谷でありながら、落ち着いてる。お客さんにも「渋谷でこういうのはないよね」と言ってもらえるので、渋谷らしくないというところがこの辺りの魅力なんですかね。

渋谷らしくないことが魅力と言いながら、やはり「渋谷である」ことも重要なのだとも言います。

渋谷じゃないところでこの雰囲気の街だったら普通じゃないですか。それが、渋谷で遊ぶ人がぎりぎり来れるところにあるというところが重要なんです。「渋谷にもこんなところがあるんだよ」って格好つけられる。やっぱり格好つけたいじゃないですか、それができるのがこのエリアなんです。

様々な表情がある神泉、外国人の姿を見かけることも多くなった。

渋谷の一部でありながら、いわゆる渋谷(表渋谷)のイメージとはギャップがある。それが魅力になって人を惹きつけるというのがこの神泉なのです。実際「裏渋谷通り」を歩いてみると、洒落た飲食店があるのはもちろんですが、スーパーがあったり、(酒屋の一角で立ち飲みをする)角打ちのできる酒屋があったり、レトロなマンションがあったりします。

ゲストハウスに、角打ち、スーパーと、表の渋谷とは違う顔。

そして、さらに1本通りを入ると、菅原さんが「神泉で唯一子どもの姿を見かける場所」という公園があるその隣には外国人向けのゲストハウスがあったりして、色々な表情が見えます。

■神泉は変わらないことで魅力的な街で有り続けられる

神泉の魅力は渋谷らしからぬところと書きましたが、「渋谷」と一口に言っても、センター街、道玄坂、宮益坂、公園通り、ファイヤー通りなどなどエリアによって様々な表情があります。はたして「渋谷」とは何なのか、菅原さんは「理由はないんだけれど、道玄坂を上がるのが渋谷というイメージがある」と言います。そして「だから、その先にある神泉という場所に惹かれたのかもしれません」とも。

道玄坂に象徴される渋谷のイメージというのは「変わり続けること」なのかもしれません。今もまさに渋谷駅前で大規模な再開発が進んでいますが、渋谷はそこらじゅうで大きなビルが壊されては作られ、変化を続けています。道玄坂もそうです。渋谷は変わり続けているから渋谷であり続けるのではないでしょうか。

道玄坂のすぐ近く、文化村通りでは、ドン・キホーテがMEGAドンキに生まれ変わったりも。いつ足を運んでも、変化し続けている街、渋谷。

そして、新たなトレンドも次から次へと生まれていく。

神泉エリアも円山町を中心に、明治時代から花街として発展しましたが、昭和40年代には衰退し、円山町はラブホテル街へと姿を変えました。しかしそれ以降は、変化しつづける渋谷の街の中で、その変化に取り残されたかのように変わらぬ雰囲気を保ち続けています。それも神泉が渋谷らしからぬ理由の一つであるのかもしれません。

変わらぬ、レトロな神泉。

ただその神泉も、表渋谷の変化のスピードと比べるとだいぶ遅いものの、この9年間で変わってきてもいるそうです。

昔から住んで店をやられていた方が商売をやめてしまって、そこに新しい店が入るということが増えているように感じます。でも、新しくできた店もちょっと洒落てたり落ち着いてたりする感じで街全体の雰囲気にはそれほど変化はないようにも思います。

お客さんも若い人の割合が増えているように感じますが、若い人たちが入ってきたとしても、その人達に僕らが文化を伝えていければこの街は変わらずいられると思います。

変わってほしくないんです、僕は。

街中には若い人の姿が増えたそう。写真左は、モーニングから楽しめる、人気のお店「カフェ・ブリュ」。

「BARすがはら」は昔の渋谷の花街の雰囲気を今に残していて、変わらぬ神泉を象徴する場所でもあります。それは変わりつづける渋谷においては忘れられてしまった過去をとどめている場所であり、まさに「渋谷ツウ」だけが知っている場所なのです。みなさんも渋谷の隠れ家で “通” を気取ってみてはいかがでしょうか?

BARすがはら 渋谷本館

住所:東京都渋谷区円山町 25-5

電話番号:03-5456-5337

営業時間:19:00~翌4:00

定休日:無休 (年末年始・お盆休みあり)

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取材・文:石村研二/撮影:石村研二・cowcamo編集部/編集:THE EAST TIMES・cowcamo編集部






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