政治活動報告の要旨(中国共産党大会) – 日本経済新聞

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 習近平総書記(国家主席)による活動報告の要旨は以下の通り。

 【党大会のテーマ】初心を忘れず使命を胸に刻み、「小康社会(ややゆとりのある社会)」の全面的完成の決戦に勝利し、新時代の中国の特色ある社会主義の偉大な勝利を勝ち取る。中華民族の偉大な復興という中国の夢の実現に向けたゆまず奮闘する。

 【5年間の成果】改革開放と社会主義の現代化で歴史的な成果を収めた。(経済や政治、文化などの一体的発展を目指す)「五位一体」や、改革や法治、厳格な党内統治を全面的に推進する「4つの全面」を調和的に推進し、あらゆる分野で新たな局面を切り開いた。

 党内統治が著しい効果を上げた。(習氏が別格の指導者であることを示す核心意識を含む)4つの意識を強化。官僚主義やぜいたく・浪費の風潮をただし、中央や省級の党委員会すべてを巡視。反腐敗に聖域なく取り組み、虎を退治し、ハエをたたいて基本的な目標が達成された。反腐敗闘争の形勢は既に圧倒的となり、定着している。

 この5年間に、成し遂げられなかった数多くの大事を成し遂げ、歴史的な変革を起こした。人々の生活は不断に改善され、貧困率は10.2%から4%以下に下がった。

 生態環境保護対策も大きく改善。資源の節約が進展し、気候変動対策の国際協力をリードし、地球規模の生態文明建設のリーダーとなった。

 南中国海(南シナ海)の島しょ建設が積極的に推し進められた。

 中国の特色ある大国外交を全面的に推進し、我が国の発展にとり良好な外部条件が作り出された。(広域経済圏構想の)「一帯一路」を主導し、アジアインフラ投資銀行(AIIB)も創設。人類運命共同体の構築を提唱し国際的影響力が高まり、世界の平和と発展に新たな貢献をした。

 (香港に高度な自治を認める)「一国二制度」を全面的かつ正確に貫徹し、香港・澳門(マカオ)に対する全面的な管理権を掌握。大陸部との交流を深めた。

 (中国大陸と台湾が1つの国に属するとする)「一つの中国」原則と「92年コンセンサス」を堅持し、両岸(中台)の交流・協力を進め、両岸指導者の歴史的な会談を実現した。「台湾独立」の分裂勢力を断固として食い止めた。

 【党の歴史的使命】1921年に党が誕生し中国人民の闘争に大黒柱が生まれた。偉大な中華民族はアヘン戦争後に暗黒状態に陥り苦難をなめ尽くした。今や中華民族の偉大な復興に近づき、これまで以上の自信と能力を持っている。全党は党の指導と社会主義制度を堅持し、否定する一切の言動に断固反対しなければならない。

 「新時代の中国の特色ある社会主義」はマルクス・レーニン主義、毛沢東思想、鄧小平理論、(江沢民元総書記が掲げた)「三つの代表」重要思想、科学的発展観を継承し発展させたもの。全党が中華民族の偉大な復興の実現へ奮闘する上での行動指針で、長期にわたり堅持しなければならない。

 小康社会の完成を土台に、今世紀半ばまでに2段階に分けて富強、民主や文明の調和が美しい「社会主義現代化強国」を築き上げると明確にする。新時代の社会矛盾は、生活向上への需要が高まっている半面で発展が不均衡になることであり、全体が豊かになることを不断に促す。中国の特色ある社会主義法治体系を整備し、社会主義法治国家を建設する。

 【党の指導を徹底】党、政、軍、民、学などの各方面や全国各地について、党はすべての活動を指導する。政治意識や核心意識などを堅持し、党の指導の堅持のための体制・仕組みをより完全にする。「治国理政」(国政運営)のあらゆる活動において人民に依拠し歴史的偉業を成し遂げていかなければならない。

 社会主義の革新的価値観の育成・実践に取り組み、イデオロギー分野での指導権・発言権を不断に強化。人民に精神的な導きを提供しなければならない。

 【発展の時間軸】党の創立100周年(2021年)には民主や生活などが幅広く進歩した小康社会を完成させ、さらに新中国成立100周年(共産党政権成立から、49年)までに現代化を基本的に実現。社会主義現代化国家を築き上げる目標である。

 第1段階の20~35年には経済や科学技術で革新型国家の上位に上り詰め、文化的ソフトパワーが強まり中華文化の影響力が広く、深く強まる。中所得層の割合が増え都市・農村間や地域間の発展や生活格差が著しく縮小する。生態環境も改善し、「美しい中国」の目標が基本的に達成される。

 第2段階の35年から今世紀半ばには、社会主義現代化強国を築き上げる。物質、政治、精神、社会、生態文明が向上し、トップレベルの総合国力と国際的影響力を有する国になる。中華民族は世界の諸民族のなかにそびえ立っているであろう。

 【経済発展】

 経済は既に高速成長から質の高い発展を目指す段階へと切り替わっており、供給側改革を進め経済の質的優位性を高めなければならない。

 国有資本の授権経営体制を改革し、国有経済の戦略的再編を速める。

 ビッグデータやインターネット、環境、シェアリング・エコノミー、人的資本サービスなどの分野で新たな成長の原動力を作り出す。世界レベルの先進的製造業クラスターをいくつか育成する。

 革新は発展の原動力。応用基礎研究を進めブレークスルーを生み出し、技術と品質、宇宙開発、インターネット、交通強国の建設を支える。知的財産権の創出や保護、運用も強化する。

 農業・農村を優先的に発展させる。請負地の権利の分離に関する制度を充実。農村集団財産権制度の改革も深化させる。

 辺境地区の安定と安全保障に万全を期し、海洋強国化を加速させる。

 金融の実体経済へのサービス能力を強化。直接金融の割合を引き上げ資本市場の健全な発展を促す。金融監督体系を完備させ、システムリスクを生じさせない。

 【中国文化の発展】中国の特色ある社会主義の文化発展を堅持しなければならない。文化産業の発展を推進し、北京冬季オリンピック・パラリンピックの準備をしっかり行う。国際的発信力の向上を図り、国の文化的ソフトパワーを強める。

 【庶民の生活向上】効率的な社会統治と良好な社会秩序を築き上げ、人民の幸福感をさらに満たす。教育では一流大学・一流学科づくりを加速する。雇用の質を高め、所得水準を向上させる。社会保障制度を充実させ、住宅制度を確立を急ぐ。貧困救済も貫き、2020年の農村貧困人口の脱却を実現する。

 【環境や生態系保護】エネルギー生産・消費革命を推進し、クリーンで低炭素を目指すエネルギー体系を築く。大気汚染対策を実施し、青い空を守る戦いに勝利する。生態系の保全や管理体制の改革にも取り組む。

 【国防・軍隊の現代化】国防・軍隊建設は新たな歴史的起点に立っており、質と効率を高める。伝統的安全保障の分野と新しいタイプの安全保障の分野の軍事闘争への備えを統一的に進める。軍人とその家族の合法的な権利・利益を守り、軍人が社会から尊重される職業になるようにする。

 国防・軍隊の現代化を35年までに基本的に実現し、21世紀半ばまでに「世界一流」の軍隊を築きあげるよう努める。

 【外交】世界が直面する不安定性は際立っている。一心同体となって貿易と投資の自由化などに進むべきである。中国は公正・正義などを旨とする新型国際関係の構築を推進し、他国の内政に干渉し、強い者が弱い者をいじめることに反対する。ただし正当な国益は放棄しない。いかなる者も中国の利益を損ねる苦い果実を飲み込ませようなどという幻想は抱かない方がいい。

 中国はどれほど発展しても永遠に覇権を唱えず、拡張もしない。引き続き責任ある大国としての役割を果たしていく。

 【香港・台湾】(香港での)「一国二制度」は世界が認める成功を収めている。愛国者を主体とする「香港住民による香港管理」を堅持し、同胞の愛国意識を強化し、ともに民族復興という歴史的な責任を負い栄光をわかち合うようにする。

 「一つの中国」原則は両岸(中台)関係の基礎。これを体現する「92年コンセンサス」を承認すれば台湾のあらゆる政党や団体との往来における障害もなくなる。

 祖国の統一は必然的な要請だ。両岸同胞は運命をともにする骨肉の兄弟で、家族である。「台湾独立」勢力のいかなる形の分裂活動も打ち破る断固たる意志と自信、十分な能力がある。国家主権と領土を断固守る。(北京=伊原健作)






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