林業の大隅と歴史の飫肥 現有資産の最大限活用で地域活性化(前) – NET-IB NEWS

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 九州地方の最南部に位置する2つのエリアで、経済活動が進化し続けている。1つ目は、鹿児島県と宮崎県の森林組合が連携した木材輸出促進協議会が取り組む、林業を通しての地域活性化。2つ目は、宮崎県日南市にある城下町・飫肥の城下町保存会が中心となったまちおこし。両エリアの取り組みに共通するキーファクターは『現有資産の最大限活用』である。

木材輸出は日本一

 林野庁が発表したデータによると、志布志港の年間の木材輸出金額および輸出量は日本一で、直近3カ年は順調に推移している。

 2016年度の日本の木材輸出金額238億円のうち、1位の志布志港は22億円、続いて境港21億円、名古屋港20億円、秋田船川港19億円、大阪港17億円。木材輸出のうち丸太輸出量では、1位志布志港19万9,000m3(22億円)、続いて八代港7万m3(10億円)、細島港6万4,000m3(7億円)、佐伯港4万6,000m3(5億円)、名古屋港1万m3(7億円)。丸太の輸出においては、全国の港湾を合計した65万m3のうち、志布志港を筆頭に九州の港が上位4位を占め、そのシェアは58.3%となっている。

 日本の木材輸出において、九州が大きく貢献していることがわかる。そのなかで志布志港は、木材輸出金額の9.2%を占め、丸太輸出金額85億円のうち25.8%のシェア。丸太輸出量では30.6%のシェアを有している。志布志港の丸太輸出日本一は、10年度から続いている。

林業衰退の危機感から

 「約10年前から、人口減少などで国内住宅着工戸数が年々減り、将来的に飽和状態となって木材の販路が狭まることが懸念されていました。一方で、木材を資源として有効活用することで林業を復権しようという動きがありました。

 そのアイデアの1つとして “丸太の輸出”に着目し、3つの地域の森林組合が11年4月に協議会を設立したのです」と語ってくれたのは、鹿児島県志布志市に拠点を置く曽於地区森林組合で代表理事組合長を務める堂園司氏。宮崎県・鹿児島県木材輸出戦略協議会として南那珂森林組合(本所:宮崎県串間市)都城森林組合(同:宮崎県都城市)、曽於地区森林組合、後に曽於市森林組合(同:鹿児島県曽於市)の4森林組合が連携。11年7月から韓国へスギ・ヒノキの丸太輸出を開始した。

 1つの森林組合だけでは、丸太の供給量に限界がある。そこで、近隣の組合と連携することで供給量の安定化を目指した。当時、「このままでは林業は衰退する」という危機感は、全国の林業関係者が抱いていた。

 「祖先の方々が育てあげた山々の豊かな資源に感謝して、先代の志を引き継ぎ、誠実に生かすことが、私たちの使命です。たしかに林業は、『斜陽産業』『縮小する市場』と言われていましたが、祖先が遺してくださった資源をどのように活用して業界を再生するのかを考えた結果、輸出という手段にたどり着きました」(堂園組合長)。南那珂森林組合とは以前より交流があり、テスト的にアジアへの輸出事業を行っていた経験があったという。また、志布志港の新規拡張にともなう旧港の活用方法について自治体から打診があり、丸太の輸出に活路が見出されたことも後押しした。

 初年度の11年は「約2,300m3前後の出荷量でした。当時11年9月から円高傾向となり、12年3月には為替レートは1ドル76円台となりました。輸出事業における損益分岐点の相場は、1ドル85円とされていたので、非常に厳しい状況となりました」(堂園組合長)。12年度は4,000m3を輸出したものの、輸出事業の断念も検討され始めたという。

(つづく)
【河原 清明】






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