那覇=粟国(あぐに)路線の運休問題-資金不足なら、ふるさと納税を使ってはどうですか – 株式会社ニッセイ基礎研究所

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残念ながら粟国村の場合、石川県のような成功事例は期待できないであろう。2014年度の粟国空港の乗降客数12,449人と、航空機を利用する観光客2,364人(1,182人の往復分)の差分は、全住民が年間7回往復した場合に相当する。「観光客に占める航空機利用率30%」と「全住民が年間7回往復」を前提にすると、年間観光客数1万人の目標が達成しても、搭乗率は57%に留まる。やはり、国及び地方自治体による運航費補助金等が不可欠である。しかし、粟国村は、人口700人程度で、前述の社説によると単年度の予算規模は15~16億円に過ぎない。観光客誘致費用も考慮すると、負担は大きい。
 
そういった事情があるなら、ふるさと納税を活用して、地域の外から資金を調達すればいい。使途を明確にし、かつ路線維持の必要性をわかりやすく説明することで、返礼品に頼らない寄附を目指してもよい。さらに、航空機や船舶の往復券を返礼品にすれば、観光客誘致の効果も期待できる。返礼率が3割なら、航空機の往復券に相当する寄附額は49,000円、船舶なら22,000円である。年間観光客1万人の目標が達成できるなら、期待できる年間寄附額を推計すると1,505万円、返礼品に充てる費用を除くと1,050万円程度となる(図表3)。第一航空が示した赤字見込み額、約2億6千万には程遠いが無いよりはいい。また、搭乗率の上昇により赤字の圧縮も期待できるし、ふるさと納税利用率(ふるさと納税を利用する観光客数の割合)によっては、より多い寄附額も期待できる。

航空会社による運航コスト圧縮への取り組みと共に、行政によるふるさと納税制度活用の検討を期待する。往復券が返礼品になるなら、微力ながら私もふるさと納税で貢献したいと思う。




図表3:期待寄附額の算出根拠



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