お遍路姿 被災地へ 四国移住の男性が仙台で写真展 – 河北新報

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お遍路姿 被災地へ 四国移住の男性が仙台で写真展

作品を手に、思いを語る野沢さん

 東日本大震災を機に仙台市から高知県に移住し、四国遍路を主題に撮影するアマチュア写真家野沢文夫さん(69)は16〜21日、写真展「祈りの四国」を仙台市青葉区の東北工大一番町ロビーで開く。市井の人々の真摯(しんし)な祈りにレンズを向ける野沢さんは「希望をつなごうとするお遍路さんの姿を震災に遭った全ての人々にささげたい」と話す。

 展示するのはA2判和紙の白黒70点。峠や海辺の遍路道を行く巡礼者や札所、石仏を切り取った。目を引くのは、祈る際の両手に焦点を絞り、約30センチの近さから捉えた作品群。一心に合わせた手、刻まれたしわ、握る数珠に引き込まれる。
 ストレートに感じてもらおうと、作品には題名や説明文は付けない。「撮影者の意図を排除して純粋に対象を撮ることを心掛けた」と説明する。
 2015年、高知県仁淀川町に移った。年間約250日を撮影と現像に充て、これまで徒歩と車で計約10万キロを移動した。手探りで見つけたポイント56カ所で約5万枚を撮影。白衣を着て「遍路転がし」と呼ばれる難所を歩き、野宿しながら50時間以上も被写体を待ち続けたこともあった。
 仙台市泉区でそば屋を営んでいた。50代で写真を始め、山岳風景や高山植物をのんびり撮っていた。
 転機は地震のさなかに祈った体験。誰かに何かを祈った。信仰心が全くなかった自身の行為に驚いた。大津波を知り、「生かされた」との思いを強くした。
 「祈りとは何かを探し当て、被災者にささげるのが、生き残った自分の使命」。店舗兼住宅を売り、高知に向かった。
 撮影は当初うまくいかなかった。気負いや慣れない土地での緊張から体調を崩し、90日間寝込んだ。夢に修行僧が現れ「何しに四国に来た?」と。「祈りを撮るため」と答えると、「分かった」と言い、消えた。
 その朝から熱が下がり、重圧も消えた。焦らず、じっくりと撮影に取り組めるようになったという。
 撮影を通じて確信したのは、希望のない祈りはないこと。肉親の死や病など苦難を背負い四国を巡る人々は「絶望に押しつぶされていると想像していたが違った」。「祈りから希望を感じ取ってほしい」と願う。
 時間は午前10時〜午後7時(21日は午後6時)。入場無料。

2018年03月14日水曜日






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