低い投票率、一体なぜ? 京都府知事選で35・17% – 京都新聞

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京都府内の選挙の投票率推移
京都府内の選挙の投票率推移

 8日に投開票された京都府知事選は16年ぶりの新人対決だったが、投票率が35.17%と過去2番目の低さとなり、近年の低落傾向に歯止めがかからなかった。府内の大型選挙は同様の傾向で、近年は京都市長選でも40%に届かず、昨年の衆院選は50.90%と過去最低を記録した。背景には何があるのだろうか。まちの声や識者の分析などから探った。

 一夜明けた9日、京都市内で投票に行かなかった有権者の声を聞いた。北区の北大路ビブレで買い物をしていた近くの主婦(45)は「誰が知事になっても生活が大きく変わるとは思えない」と「中間行政」である府政との距離感を語る。上京区の自営業男性(50)は「京都人は物事が急激に変わるのを嫌いがちだし、現職の後継候補が勝つと思っていた」と打ち明ける。

 選挙活動が低調だと感じた人もいる。右京区のタクシー運転手の男性(53)は「通常は投開票日の1週間前になると、選挙の関係者が夜の街にあまり行かなくなるからか客が減るが、今回はあまり減らなかった」と話す。取材では「選挙カーをあまり見かけない」という声もよく聞いた。

 同志社大法学部の森裕城教授(政治学)に話を聞くと、まず指摘したのが、政党レベルで9回連続となった「非共産対共産」の構図だ。「非共産側は国政の主要政党が相乗りしており、有権者は組織力の差から勝敗の行方を予測できた」と説明する。

 4期16年務めた山田啓二知事の退任表明を受けた新人2人の争いだったが、「府民の評価が悪くなかった山田氏が後継指名を行い、実質的に山田府政を承認するか否かの選挙になった」と分析。新味がなかったことも有権者の反応が悪かった一因に挙げる。

 府知事選の選対関係者からは「京都市長選なら四条通の歩道拡幅など争点が見えやすい」「国政選挙は消費増税など生活に直結する」との意見が出ているが、京都市長選、国政選ともに投票率は低迷気味だ。

 選挙全般を通して言える点として森教授は集票側の事情と、政治・社会構造の変化を挙げる。具体的には「動員型の選挙を担う経済や農業、労働などの団体の組織率が低下し、中選挙区から小選挙区への変更によって政党内の競合が減った。経済のグローバル化が進み、通勤や通学などの生活圏も拡大し、有権者が政治を実感できる場面も減った」と背景を読み解く。

 来春に統一地方選、来夏に参院選が行われるが、投票率はこのまま低下の一途をたどるのだろうか。

 京都大教育学研究科の佐藤卓己教授(メディア史)は、2005年の郵政解散による総選挙や大阪都構想の賛否を問う15年の住民投票を例に「投票率は単に高ければいいものではないが、明確な争点があれば必ず上昇する」と指摘。その上で「選挙で大事なことは今の有権者の票をどれだけ集めるかだが、社会は少子高齢化が進んでいる。メディアにはもっと長期的な視点で有権者の判断材料になり得る争点を提示する姿勢があっていい」と注文する。

【 2018年04月11日 11時50分 】






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