(葦)文化財と観光 今井邦彦 – 朝日新聞社

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 文化財保護法の改正案が国会で可決され、来年4月から施行される。文化財を町づくりなどに積極的に活用していこうという趣旨だが、観光への活用ばかりが注目されている印象だ。5月に東京で開かれた日本考古学協会の研究発表会でも、様々な疑問の声が上がった。

 大阪大の福永伸哉教授は「文化財に『勝ち組』と『負け組』が出てくるのでは」と、文化財の価値が話題性や集客力で評価されることに懸念を示した。考古学を現代社会の中で生かす「パブリック・アーケオロジー」を研究している東京大の松田陽(あきら)・准教授は「そもそも、文化財の活用がおろそかにされてきたという批判は妥当なのか」と指摘。発掘された遺跡の現地説明会や博物館での体験講座など、日本での取り組みは海外の考古学関係者からも評価されてきたからだ。

 今回の法改正では、市町村ごとに行政と学識経験者、商工業・観光関係団体などが協議し、文化財の保存、活用の総合計画を作ることも可能になった。一時の観光ブームのためではなく、文化財が地域の人たちの手で大切に守られ、活用され続けるために知恵を絞ってほしい。

(編集…

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